ダイエットといえば、まずは食事と運動ですよね。特に食事は毎日のことであり、ダイエットとは切っても切り離せない重要なものです。近年では健康志向の広まりに伴い、改めて玄米の魅力が見直されています。
玄米の味や香り、食感が苦手という人もいる一方で、上手に調理しながら普段の食事にとり入れている人が増加中。特に、ダイエットをしている人には人気があります。
この記事では玄米にはどのような効果があるのかをまとめ、ダイエット中に玄米をとり入れるメリットをご紹介します。さらに、玄米を使ったダイエット成功のポイントや美味しい食べ方についてもあわせてみていきましょう。
この記事の執筆者・監修者
管理栄養士 佐々木優美 先生
講師業の傍ら、料理や健康に関する記事の執筆やレシピ作成をしています。人によって料理に求めるものは違いますが、私の理想は心も体も満たせる料理を作ることです。野菜をたっぷり使った彩り豊かな健康食が好きで、なるべく植物性食品を多く摂れるように心がけています。忙しい生活を送る人が多い時代ですが、食事から体をいたわることの大切さも伝えていきたいです。
玄米がダイエットに効果的な理由
「玄米は体に良い」とはよく聞かれますが、それがなぜなのか具体的な理由はご存知でしょうか。玄米に含まれる栄養素や、ダイエットへの作用を解説していきます。
1.便秘を改善してすっきりさせる
もみ殻の部分に含まれている食物繊維には便秘を改善させる効果があります。
白米は玄米からもみ殻を取り除いたお米のことをいい、このもみ殻の部分には食物繊維が豊富に含まれています。もみ殻を除いた白米は美味しさに優れていますが、栄養豊富な部分を捨ててしまうのでなんだかもったいない気がしてしまいますよね。
食物繊維には腸の動きを活発にしたり、腸内環境を整えたりする働きがあります。そのため、玄米を食べると便秘が改善したと実感する人が多いようです。
便秘の状態では、便の重さそのものが体重に反映されますし、老廃物が溜まると肌荒れを起こしやすくします。そのため、便秘が改善されると数字的にも気持ち的にも体が軽くなったと実感できるでしょう。お通じが良くなることで肌荒れも改善され、美容効果も得られます。
2.糖質を燃えやすくする
玄米に多く含まれているビタミンB1が糖質の代謝を助け、エネルギーへ変換されやすくします。
ビタミンB1は糖質を燃やしてエネルギーに換えるために必要な栄養素です。糖質を摂ったときにビタミンB1がなければエネルギーに換えることができず、糖質が体脂肪として蓄積されやすくなります。糖質の利用率を高めるためにはビタミンB1は必須の栄養素です。
3.むくみを改善する
玄米にはカリウムが多く含まれています。カリウムは野菜や果物に多く含まれるミネラルで、主な作用はナトリウムの排出を促す働きです。
食塩をとり過ぎると体内でナトリウムが過剰になります。体内の水分量はナトリウムとカリウムのバランスによってコントロールされており、浸透圧を一定に保つためにナトリウムが増えると水分量が増える仕組みになっています。
カリウムによってナトリウムの排出がすすみ水分量が減れば、むくみの改善効果が期待できるでしょう。むくみが改善されることで、実際に体重に変化が表れる場合もありますよ。
玄米ダイエットを成功させるポイントは?
さまざまな栄養素を含む玄米はダイエットの強い味方です。しかし、玄米を食べているからといって必ずしも誰もが痩せるというものでもありません。玄米を上手にとり入れながら、ダイエットを行う際のポイントを見ていきましょう。
無理な食事制限をしない
ダイエット中にやってしまいがちなのが、極端に食事を制限したり抜いてしたりしてしまうこと。確かに摂取カロリーを抑えることは大事なのですが、それだけではどんどん脂肪を溜め込みやすい体になってしまいます。
まずダイエット中に守ってほしいことは、食事を制限しすぎず適切なエネルギーを摂取することです。必要な栄養素を摂取しながら、しっかりと体を動かしてカロリーを消費し、代謝の良い体作りを目指しましょう。
玄米を食べすぎない
いくら玄米の栄養価が素晴らしいとはいっても、それだけ食べていれば良いというわけではありません。玄米は主食に分類されており、糖質を多く含む食品です。糖質を摂りすぎると体脂肪が蓄積されやすくなるので量には注意しましょう。
昔はおかずを十分に用意ができなかった分、玄米からの栄養摂取が健康のカギとなっていました。しかし、今はおかずからもさまざまな栄養素を摂取できる時代です。主食・主菜・副菜の揃ったバランスの良い食事を目指しましょう。
食事だけではなく運動も
玄米はダイエットに役立つものですが、ただ玄米を食べていれば痩せるというわけではありません。運動を併用して代謝を上げるために欠かせないのは筋肉。筋肉量を増やすためには体を動かす必要があります。
年齢とともに痩せづらくなるのは筋肉量が減ってしまうためです。体を動かす機会が減ってしまうと、体力がなくなりさらに運動をするのが面倒になってしまいます。運動が苦手な人は、まずは簡単なものから始めてみましょう。
美味しい炊き方を心がける
玄米はヌカ独特の臭みがあり、風味が苦手だという人もいます。食事は美味しさが基本。苦手なものを長く続けられる人はいません。ときには芯が残って固い炊き上がりになってしまうことがありますが、これはしっかりと浸水させることで解決できます。ふっくらとした柔らかい炊き上がりにするためには、8〜12時間程度水に浸けるとよいでしょう。
また、美味しく炊き上げる裏ワザとして、ヨーグルトや食塩を混ぜて炊く方法もあります。ヨーグルトや食塩は臭みを和らげ、甘みを引き出してくれる効果があるそうです。玄米の匂いが気になる人は少量を水に混ぜて炊いてみましょう。
ダイエットにおすすめの玄米レシピ
「毎日玄米を食べたいけど飽きてしまった」という人には、アレンジレシピがおすすめです。ここでは特にダイエットにおすすめの食べ方をご紹介します。ダイエットを長く続けるためにも、色々な楽しみ方を知っておきましょう。
少量でも満足できるリゾット
リゾットはお米をスープで煮るので、普通に炊くよりも量が増えます。摂取カロリーを抑えつつお腹は満たされやすいのでダイエットに向いている料理です。野菜を追加して一緒に煮込んだり、トマト缶を使ったりして、ビタミンや食物繊維も一緒に摂れる工夫をしましょう。
バランスの良いビビンバやガパオライス
ビビンバやガパオライスのようにご飯の上に具材をトッピングをして食べる料理は、栄養バランスが良くダイエットにおすすめ。野菜を多めにすればしっかり噛んで食べられるので満足感が得られます。さらに、カロリーを抑えられるのでダイエット向きの料理といえます。
野菜が主食?玄米入りサラダ
玄米を主食としてではなく、サラダの具材としてトッピングに使ったもの。糖質の量を十分に減らしたいときや食べすぎたあとの調整食としても良いでしょう。ドレッシングやマヨネーズは脂質が多くカロリーが高くなってしまうので、ノンオイルの調味料がおすすめです。
玄米ダイエットは楽しく美味しく
玄米にはダイエットに役立つ栄養素が多く含まれ、便秘解消や代謝を良くするなどダイエットに嬉しい効果が期待できます。しかし、ただ玄米を食べているだけではダイエットは続きません。さまざまなアレンジを楽しみながら、食べ方を工夫してみましょう。玄米ダイエットを成功させるためには美味しさと楽しさが肝心です。