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玄米弁当を美味しく作るポイントや食中毒予防の留意点とは?

玄米弁当を美味しく作るポイントや食中毒予防の留意点とは?

職場や学校でのランチは楽しみでもありますが、コンビニ弁当や外食は毎日続くとお金がかかり、健康的にも心配な部分があります。そこで、節約や健康のために手作り弁当を持参する人も多いと思いますが、栄養バランスを考えて負担になってしまうとお弁当作りを長く続けられない原因にもなります。お弁当をバランスよく作るためには、主食を玄米にするのがおすすめです。ここでは、玄米弁当を美味しく作るコツや、衛生面の注意点などについてご説明いたします。

この記事の執筆者・監修者

管理栄養士 佐々木優美 先生

佐々木優美
佐々木優美

講師業の傍ら、料理や健康に関する記事の執筆やレシピ作成をしています。人によって料理に求めるものは違いますが、私の理想は心も体も満たせる料理を作ることです。野菜をたっぷり使った彩り豊かな健康食が好きで、なるべく植物性食品を多く摂れるように心がけています。忙しい生活を送る人が多い時代ですが、食事から体をいたわることの大切さも伝えていきたいです。

固くなりやすい玄米弁当を美味しく作るコツは?

玄米は外皮に包まれているため、白米に比べるとパサパサと固くなりやすい特徴を持っています。温かい状態でも米粒を固く感じるので、冷めてしまうお弁当では特にこの固さが気になります。職場や学校に電子レンジがあれば良いのですが、必ずしも温めて食べられるわけではありません。そんな玄米弁当を少しでも美味しく作る工夫について見ていきましょう。

①炊き方を工夫する

冷えても玄米が固くならないようにするためには、まずは玄米を炊飯する時の調理器具を変えるという方法があります。一般的には玄米は炊飯器を使って炊きますが、お弁当用の玄米ご飯には圧力鍋がおすすめです。圧力鍋は鍋の内部に圧力をかけて加熱するため、100℃以上の高温調理が可能です。そのため、調理時間は短くなり、うま味や水分を逃がしづらいため、ふっくらと美味しい玄米ご飯が炊きあがります。

②水の量を増やす

玄米は炊飯前にしっかりと水に浸けて中まで吸水させます。そうすることで水分を含み軟らかく炊き上げることができますが、この方法では時間がかかるため手間に感じます。そこでおすすめなのが「びっくり炊き」という炊き方で、麺類を茹でるときのびっくり水と同じ原理で玄米を炊き上げる方法です。びっくり炊きは玄米を吸水をさせずにすぐに鍋で茹で、沸騰してからさらに水を加えて炊くというもの。炊く時間を短く済ませられ、ふっくらとモチモチとした食感に仕上がり、冷めても美味しく食べられます。

③食材を加えて玄米を炊く

玄米を炊くときに調味料や食材を加えて炊き上げる方法もあります。おすすめは昆布と梅干で、玄米を炊く際に併せて炊飯釜に入れて炊くことで玄米のぬか臭さが消え、ふっくらと仕上がります。また、料理酒を少量加えて炊いてもふっくら感が増し、冷めても美味しく食べられます。玄米は冷えるとパサパサ感が増すので、炊き上げるときにふっくらさせることが重要なポイントとなります。

お弁当に玄米を入れるときのおすすめの炊き方は上記のように3つの方法があります。玄米は普通の炊き方ではパサパサとしてしまいやすいので、ひと工夫してふっくらとした炊き上がりを目指しましょう。

美味しく安全なお弁当を作るための留意点

いざお弁当を食べようと蓋を開けたら腐っていたなんて経験はありませんか。お弁当を朝に作ってから、食べるまでの間には5~6時間ほどの時間があります。傷んだお弁当は食中毒のリスクが高く、また風味や食感も悪いので食べることはできません。玄米をお弁当に入れるときの衛生管理のポイントについて見てみましょう。

①常温で保管をしない

お弁当を持ち運んで、そのままの状態で置いておくと、室温が高い場所では腐敗のリスクが高くなります。冷蔵庫があれば冷蔵庫で保管をするのがベストです。もしない場合は日光が当たらない涼しい場所で保管をしましょう。

また、お弁当を持ち運んでいるときでも腐敗は進んでいきます。基本的には保冷バッグを用いるようにして、中に保冷剤を入れて温度が高くならないようにしましょう。どちらも100円ショップにもありますので、手軽に手に入れることができますよ。

②汁気のあるものは汁を切って入れる

煮物や酢の物など、汁気のあるおかずは汁気を切ってお弁当箱に詰めましょう。水分が多いと細菌が増えやすくなるので、できるだけ具材だけを入れるようにします。お弁当には揚げ物や焼いたものなど、水分が少ないおかずがおすすめです。

③おかずは中心まで火を通す

生の肉や魚には細菌が住んでいます。加熱をすることで食中毒の原因となる菌は殺すことができるのですが、加熱が不十分だと食中毒を起こす場合があります。加熱時間の目安は、中心温度が75℃以上で1分以上です。食品に直接刺すことのできる中心温度計を持っておくと便利ですよ。また、特に注意をしたいのが卵です。半熟の状態では食中毒に繋がりますので、卵焼きやゆで卵でもしっかりと加熱をしてください。

④熱が冷めてから蓋をする

ご飯やおかずの熱が高いまま蓋をしてしまうと、蒸気がこもり水滴が発生して傷む原因になります。特に温かいご飯からは蒸気が発生しやすいので注意が必要です。お弁当箱の蓋を開けて、できるだけ熱を冷ましてから蓋をします。

食中毒予防の三原則として「付けない・増やさない・やっつける」という標語があります。お弁当を詰めるときはもちろんですが、おかずを作るときにも食中毒予防へ意識を向け、清潔な環境で調理をしましょう。

玄米弁当の魅力ってどんなところ?

健康のためにお弁当生活をする人は多くいますが、野菜を多くしたり肉の部位に気を付けたりしながら主食を玄米にするとダイエット効果が高まります。また、それ以外にもメリットがありますので見ていきましょう。

①栄養バランスがよい

玄米を使ったお弁当の一番の魅力は、栄養バランスが整いやすいことです。ビタミンやミネラルは野菜や海藻、きのこ類に多く含まれていますが、限られたお弁当箱のスペースのなかで盛りだくさんの副菜を入れることはできません。主食を玄米にすれば、ダイエットに役立つ栄養素を補うこともできます。

②時間の節約になる

お弁当を作る作業はありますが、全体的に時間の節約になります。例えば、お昼ご飯を買うためにコンビニへ歩いて行く時間がかかり、さらに選ぶための時間もかかります。お昼休憩は時間が決まっていることがほとんど。無駄に時間を使いたくない人にはサッと準備ができるお弁当がおすすめです。

③節約になる

手づくりのお弁当は、コンビニ弁当や外食をするのに比べると半分ほどのコストで抑えることができます。物価上昇が激しい今の時代は、節約のための知恵や行動も必要です。お弁当作りで浮いたお金は他のことに回してスマートな生活を送りましょう。

玄米弁当におすすめのおかずは?

毎日お弁当を作っていると、どんなおかずを入れたら良いのか悩んでしまいますよね。バランスよく作るためには、主食3:主菜1:副菜2の割合で組み合わせがおすすめです。

主食

主食は玄米ですが、梅干しや佃煮を乗せたり、わかめを混ぜたりしてアレンジを楽しむことができます。炒飯やチキンライスなど、少し手を加えた料理を入れると食べる楽しみが一層増しますよ。

主菜

主菜はどんなものでも良いですが、鮭や卵焼き、唐揚げなどのおかずが定番です。同じ食材でも味付けで変化を付ければ飽きずに楽しめます。

副菜

副菜には野菜のおかずを用意します。お浸しや煮物などを使う食材を変えながら入れましょう。野菜を入れるとお弁当全体の彩りが良くなりますし、不足しやすい栄養素の補給源にもなります。

玄米弁当生活を始めて健康になろう

玄米をお弁当に入れると固くなりやすいのが難点ですが、圧力鍋を使ったり梅干しや昆布を入れて炊いたりすることでふっくらと仕上げることができます。玄米はビタミンやミネラルなどの栄養素が含まれている栄養価の高い食材なので、ぜひお弁当にもとり入れ健康管理に役立てくださいね。

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